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広報・IR・リスクの専門メディア「広報会議」で「広報担当者のための企画書のつくり方入門」を連載中です。

平井彩子の「彩色兼美」〜昭和枯れすすき〜

2013.09.08 生き生きと生きる

 

「平井さん、1泊2日なのに荷物それだけですか?」と仕事をご一緒した方につっこまれる。


別に旅慣れてるわけでもなんでもない。いつも通り。

最低限の着替えと化粧品があればよいのだ。そういや、大学生のときもキャンプに行こうが合宿に行こうが荷物はやたらと少なかった。備えあれば憂いなしナンテ知ったこっちゃない。後は現場対応力だ、と目の前で起きる事象については潔い私であるが、最近よくわからなくなってることがある。

 

仕事について考える前に、何か考えることがあるんじゃなかろうかと。

 

目の前の仕事には一生懸命に取り組むものの、目の前のことを着実に積み上げ、少しずつキャリアを広げてきたサラリーマン人生とは違って、独立とはポーンと世間の中に放り出されるもの。もちろん、たくさんの人の支え、その繋がりがあって自分の仕事が成り立っているが、不安定なのは確かだ。

 

で、何が不安定なのか考えた。

 

贅沢ながら、もしかして今の私は選択肢が多いのではないかと。

選択可能な現実は、多ければ多いほど良さそうな気がする。そしてそれは、一瞬精神の自由を与えてくれるが、自由というのは不安定さも同時に与える。

 

そしてその選択肢というのは、仕事という狭い範囲のものではなく「人生」に対する選択肢。

そう、今私が問われているのは「お前はどう生きたいか」ってことなんじゃないかと。

 

私に荷物が少ないとおっしゃった方は、高校から30歳までアメリカで過ごした方で、仕事の合間に日本とアメリカの文化の違いの話に花が咲いた。

 

「アメリカは4,5年で転職を重ねてキャリアを伸ばしていくのが当たり前で、逆に何年も同じ会社にいると変な顔をされるんですよ」

「アメリカでは、数学の授業も詰め込みではなく、グループディスカッション形式で考えさせるんですよ。日本の方が知識量は増えるので、どっちがいいかはわかりませんがね」

 

キャリアの考え方も、思考の鍛え方も根本的に日本とは違うと、改めて気付く。

 

数年で仕事を転々とするなら、お前は次どうする、その次どうすると、必然的に考えざるを得ないし、その中で自分の人生を描くとなると、少なくとも同じ会社でキャリアを積むと言われる日本人より若いうちに「どう生きるか」を考えるのではないだろうか。

 

やっぱり、どんな風に生きたいか。ここが軸ではないかと。

女性ならなおさら。それは、人生の選択肢が女性の方が多いから。

 

これまで「女性」ということに目を背けていたのだけれど、女性のキャリアを支えるような活動をしてみてもいいのでは・・・自分の悩みとともに新しい目標も少し見えた気がする今日この頃。

 

プロフィール

平井彩子(ひらいさいこ)1980年東京生まれ。

中小企業診断士  独立系ソフトウエア開発会社にて、システムエンジニア、プロジェクトマネージャとして業務システムの構築現場を数多く経験。その後、中小企業向けコンサルティング会社に転職し、中小企業の経営を支える生々しい仕事を経験。2012年コンサルタントとして独立後は、経営支援、企業研修、執筆等、幅広く活動中。趣味は人間観察と梅干づくり。

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