平井彩子の「彩色兼美」〜昭和枯れすすき〜
2013.06.25 季節労働
前回からしつこいけど、6月は梅の季節。
この時期は、本業が何かわからなくなるくらい、梅梅梅梅言ってる私。
とはいえ、梅干しを漬けるイベントを3年も開催していると、
「この時期は忙しいでしょ。梅もあるし。」
とか言われるようになる。(いいのか?いいよね?)
石の上にも3年ということで、
今年も6/23[日]渋谷のダブルトールカフェにて、梅干し漬けイベントを開催しました。
そんな私の季節労働をご紹介します。
■塩
毎年、梅の種類や塩の種類に変化をつけて、味の違いを楽しんでいるわけですが、今年の梅は和歌山県産「南高梅」1種類。塩は、毎年恒例となっている「ベトナム:カンホアの塩」と、今年初挑戦の「フランス:ゲランドの塩」だ。どちらも純粋な自然天日塩。
・・・というと、なぜ日本のものを使わないのかと言われそうなので説明しておくと、日本の塩は専売法のなごりがあり、本物の自然塩と呼べるものは少なく(存在してるけど、価格が高い...去年までは梅干しに使用してたけど)、外国の海水や塩を輸入して、溶解して製造しているものだったり、化学的に製造している精製塩が多い。(あんまり詳しい話はめんどくさいので割愛)
で、探していて辿り着いたのがこの2種類の塩というわけだ。
塩角(ピリっとする塩辛さ)がなく、まろやかな味わいが特徴のため、保存のために18%も塩を入れている私の梅干しには、丁度いい。
■イベント内容
肝心のイベントの内容だが、私の梅干しイベントはただの料理教室ではない。
漬けるだけで終わりでは面白くないので、参加者の皆さんにワークショップをして頂くのだ。
まず、梅と塩の組み合わせで数種類の商品が出来上がるので、その商品名をチームで考える。その後、商品名にちなんだラベルをチームでお絵かきするのだ。
そして、その商品名とラベルのプレゼンを皆さんにして頂く。
(ラベルは梅干し完成後、瓶に貼り付けてお渡し)
このプレゼンが、なかなか面白い。
一芝居うって面白おかしく紹介する人もいたり、流行りの言葉を入れてみたり。
なんでまたこんなに皆さん上手に喋るかね。毎年感心する。
その日初めて会った人たちもいる中、いい大人が楽しそうに絵を描いたりお喋りしたりする光景がなかなか興味深い。
完成が数か月先になってしまう梅干し。イベント当日の作業(梅の塩漬け)だけでは、何かを作った実感がない。そんな中、参加者どうしが交流することで、一緒に何かを作り上げた感が出るのがよいのかもしれない。
そして完成後のパーティーで、数か月前の漬けたときを振り返って、また盛り上がる。
本当は、梅干しを漬けるイベントなんだけどね。
みんなの笑顔が見たくて、どうやって場をまわそうか、主催者としては場づくりに必死だ。
人前で喋る仕事もしているので(おっと、少し本業の話も出てきた)、こういう場はとても勉強になる。
そして、来年もみんなの笑顔が見たくて、開催しちゃうのかもしれない。
謝辞:
今年は、和歌山県農協さん、アサヒビールさんにご協力いただき、協賛の品を頂きました。
大変感謝をしております。どうか来年もよろしくお願いします。
プロフィール
平井彩子(ひらいさいこ)1980年東京生まれ。
中小企業診断士 独立系ソフトウエア開発会社にて、システムエンジニア、プロジェクトマネージャとして業務システムの構築現場を数多く経験。その後、中小企業向けコンサルティング会社に転職し、中小企業の経営を支える生々しい仕事を経験。2012年コンサルタントとして独立後は、経営支援、企業研修、執筆等、幅広く活動中。趣味は人間観察と梅干づくり。