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広報・IR・リスクの専門メディア「広報会議」で「広報担当者のための企画書のつくり方入門」を連載中です。

平井彩子の「彩色兼美」〜昭和枯れすすき〜

2013.05.16 悲しい嘘


ここ数年で最も嫌いな言葉「嘘も方便」。嘘ってついているうちに、本当みたいに思えてきて、つき始めると癖になるのかな!?

つかなくていい嘘ってたくさんあると思うのだが、思いのほかビジネス上で変な嘘をつく人が多いことに驚く。


自分のプライドを守るために、言葉の定義や形にこだわりだすと危ない。「コンサルタントとは・・・」「デザイナーとは・・・」「わが社の仕事のやり方では・・・」


本当に大事なのはそんな言葉の定義や形じゃないだろう。今自分に課せられた仕事を全う出来るのか、出来ないのか。出来ないならどんな理由で出来ないのか。

そう、以前とあるプロジェクトで、出来ない理由を仕事のやり方のせいだとか、情報が少ないから何も提案出来ないだとか、私の頭では到底理解できない言い訳で時間を食いつぶしてしまうような事件に遭遇した。


仕事のやり方を主張されても、それはあなたのやり方でしょ。としか言えないし。。。情報が少ないと言われても私が出し惜しみしてるわけじゃないし。。。

 

私の頭にはハテナがたくさん出た。なぜ、少ないなりにここまでやりますとか、これとそれとあれがあれば、いつまでにこのくらいできます。とか言わないんだろうか。

 

モヤモヤモヤモヤ。なんか変だ。気持ち悪い。この気持ち悪さはなんだろう。


思い切って思いのたけを述べてみたら、

「すみません。社内調整がつきにくく、納期に間に合わないと思ったので」と。

 

え?それなら変な嘘つかないで素直に言ってくれればいいいのに。

 

事実は心に響くものを持っている。でも、嘘は響かない。だから嘘はバレる。
モヤモヤしたのは、相手が嘘をついていたからだ。


ビジネスは人と人なんだってば。経営も不確定、気持ちも不確定。でも、その中で決断して物事進めていくもんでしょ。


・・・と、マンション管理組合の理事会に出て、”ポンプの耐用年数なんて知るわけないじゃん!”、”予算の妥当性なんて相場もわかんないのに判断できるかよ!”と脳が考えるのを放棄しそうになるのを「不確定な中での判断・・・」を思い出し、頭をフル回転させたのは先週の日曜日の私。ハハハ

 

プロフィール:平井彩子(ひらいさいこ)

1980年東京生まれ。中小企業診断士

独立系ソフトウエア開発会社にて、システムエンジニア、プロジェクトマネージャとして業務システムの構築現場を数多く経験。その後、中小企業向けコンサルティング会社に転職し、中小企業の経営を支える生々しい仕事を経験。2012年コンサルタントとして独立後は、経営支援、企業研修、執筆等、幅広く活動中。趣味は人間観察と梅干づくり。